関村妃 荒木経惟
関村妃(本名、十五歳)は、芥川龍之介とサガンの小説、そして愛の詩が好きな、まだ中学三年の文学少女である。将来は女優になりたいという。現実を超え、現物(エロス)感じさせる女を、私は「広辞苑」に内緒で、女優と定義している。まさに関村妃は女優である。(中略)まだ十五年という過去(ストーリー)しかないはずなのに、噫、この哀しいエロス、私は呼吸がみだれた、彼女の白い肌に触れたくなった。待て!写真家が触れるのはカメラだけでいい。被写体に触れてはいけない。撮影中はストリップ劇場なのだ。あーあ、写真家ってつらいなー。大女優関村妃と天才写真家荒木経惟との過去(ストーリー)は、まだ始まったばかりである。乞うご期待。(荒木経惟)
写真家荒木経惟にとって、関村妃との出逢いが運命的であったことは、自身のHPの一文でわかります。
「この妃という〈少女〉との出逢い(デート)が、私が〈少女世界〉にソーニューする前戯(きっかけ)だったようである。」(荒木経惟HPより) http://www.arakinobuyoshi.com/profile/1971-1980.html
彼女は、あの名作『少女世界』の中にも入っています。
そして、ふたりのストーリーは続きました。6年後に上梓された『浪曼写真 私のアリス達』(青林堂)の表紙、荒木と腕を組んでいるのが彼女です。
カメラメーカーのサロン的雑誌の巻頭12頁の特集ですが、<少女世界>の入り口として、貴重な特集ではないでしょうか。
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