稲垣足穂全集1 『一千一秒物語・アンソロジー』
 
書肆ユリイカ  編集 伊達得夫   
   1958 初版  
状態 函背破れ、ヤケ、汚れ
order number :M013-T
price: sold out

古本屋という稼業はさもしいもので、本棚を見かけると所かまわず漁ってみたくなる性分のようです。知人の家を訪れたこの日も、御多分に洩れず、近況報告もそっちのけで、本棚をガサコソ。すると、隅の方に壊れかけた函に入った新書サイズの薄い本を発見。さっそく手に取り、本を出してみると、濃紺と水色の装丁、こ、これは、、、、、、、うっ、と息を呑みこみました。

書肆ユリイカ発行 伊達得夫編集 稲垣足穂全集1『一千一秒物語』 めっけちゃいました。ユリイカ!

編集者伊達得夫は、京都帝国大学を卒業、兵役後に上京し前田出版社に勤務。原口統三のベストセラー『二十歳のエチュード』を手掛けた後、昭和23年に独立し「書肆ユリイカ」を興しました。そこで、自身が絶対に出したかったという稲垣足穂の『ヰタ・マキ二カリス』を刊行しましたが、まったく売れず、昭和25年頃からは主に詩集を出版するようになり、昭和31年には詩誌『ユリイカ』を創刊させました。この稲垣足穂全集は、昭和33年に刊行が始まり、昭和35年まで全18巻のうち7巻発行されましたが、昭和36年1月伊達の死をもって、未完となっています。

今回のめっけ本・全集第1巻には、『一千一秒物語』と『アンソロジー』が載っています。
この小ぶりで、瀟洒な装丁で読む『一千一秒物語』は、足穂ファンならずとも至福の時を味わうことができるでしょう。

参考 ウィキペディア 伊達得夫
『詩人たち ユリイカ抄』 伊達得夫
松岡正剛の千夜千冊 『文化の仕掛け人 』
  


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